ご挨拶


弊社は、東京・神田に約25社ある通称、「神田村」と呼ばれる取次群の中の1社です。
神田村の歴史は、
70年以上あり、それぞれに専門分野(たとえば弊社は、朝日・毎日・中公・文春・幻冬舎・一橋グループの出版物)を持っております。(別冊の神田取次取扱出版社一覧表を参照ください。)

 全国の書店組合さんから、神田村を使ってみたいので説明して欲しいとのご依頼があり、
10年ぐらい前から全国を回っております。
お会いしてまず驚いたことは、
東京及びその近郊の書店さんでは当たり前の様に使っている神田村
という問屋街を全く知らない方が多かったのです。

 説明を聞いていただいた書店さんの半数近くの書店さんが現在、神田村を使われる様になりました。注文した翌日には補充・客注商品が入荷しますので、本当に喜んでいただいております。欲しい本が手に入らない、追加、補充もいつ入荷するかわからないという問題は、神田村を使う書店さんにおいては、改善されたと思っております。

 お客様の望まれる本がその書店に無いと、1回目は黙って帰られるが、2度目来て同じだと、そのお客様はもう2度と来店されないとある書店さんからお聞きしました。欲しい本がその書店にあれば、また来店されるでしょうし、他の本も買われていきます。馴染みのお客様が離れていくこともありません。その意味でも、売れ筋を切らさないように、ぜひ神田村を使って頂く事をお勧めします。

*欲しい新刊が希望通り入荷しない。

*客注を注文してもなかなか入荷しない。

*新刊の事前客注注文の対応をしてくれない。

*棚の補充がなかなか入荷しない。

という書店さんは、神田村をお使いなると便利です。

今の出版業界は、大手取次の総量規制により、中小書店さんへの新刊の送りが激減しています。効率だけを考えた今のやり方を進めていたら、今後も中小書店さんはますます減少していくと思われます。

弊社も神田村もその流れに歯止めをかけ、中小書店さんに元気になってもらい、以前のような活気のある出版業界に戻って欲しいと思っています。最近、書店新聞をお読みになった地方の書店さんから、神田村を使いたいというお電話がものすごく多く寄せられております。

地方の書店さんの仕入先は大抵一つですが、複数の仕入チャネルをお持ちになることは今後ますます必要になってくると思います。

 最近取引を始めたある書店さんは、補充品を棚下の引出しに持っていましたが、神田村から毎日荷物が入るようになり、ストックをなくしてしまわれました。在庫が減り、資金繰りが楽になったと喜ばれています。これは大きなメリットです。

神田村の特色は、何と言っても、得意な版元に特化しているためか、
商品力が桁違いに強い事、そしてキメの細かい、小回りの利く機動力です。

 弊社も神田村取次も、大手取次に取って代わろうなどとは思っていません。大手取次ではできない補助的な役割を担いたいのです。

親しくしている大手出版社の部長に、ある書店さんを紹介していただいたことがあります。「そんなことをして、大手取次からクレームきて困りませんか」と聞いたところ、「それはない。おたくのサポートで補充も客注も速く入り、売れ損じがなくなれば、その方がいい。補完的にお宅を使うんだから問題ないし、速く入れば書店さんにも喜んでいただけるはず」と言われました。
 
大手取次も神田村もお互いの長所を尊重しながら、いろいろな形で書店さんをサポートして、魅力ある店作りに貢献し、その結果、本に興味を持つ読者を増やしていければいいと思っております。

 これからも、日書連や各書店組合と相談して、中小書店さんにご利用いただきやすいような営業活動を展開していきたいと思っております。今後も皆様のご期待に沿いますよう、社員一同全力を挙げて社業につとめますので、なお一層のお引き立てを賜りますよう、お願い申し上げます。

 

 令和4年4月

                       弘正堂図書販売株式会社

                        代表取締役社長

                              細野寛行

弘正堂
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