全国の書店さんを回って思ったことD

(2013/4全国書店新聞より)


 地方の書店さんを回るようになって、神田村を使うようになった地方の書店さんの数が100軒を超えました。こんな数字を表に出すと、大方の販売会社様は驚いてしまうかもしれません。

 しかし、利用額月10万円前後の書店さんが結構多いし、あくまでメインの販売会社があって、神田村はサブ的に使うので、多いところでも、それより少し多いぐらいです。(それ以上の書店さんも数軒ありますが、そこはもう絶好調です。)そんなに多い金額ではないので、安心して神田村を使っていただきたいのです。神田村を使うことは、額が少なくても、ものすごく大きな効果があるのです。

 神田村から仕入れる商品は、客注なのに他の販売会社から“お宅には配本がありません”と断られた新刊、あるいは客注を注文しても入荷まで
1週間以上かかっていた商品です。神田村を使わないとアマゾンに負けてしまうのです。(神田村は在庫のある商品なら、北海道、九州地区を除き、一部の例外を除いて翌日にはお店までお届けできます。)
神田村取次は、書店さんの切実なニーズにいち早くお応えするサービスを毎日実行しています。   

今の出版業界は、効率配本により、大型書店を除き、満足に新刊が配本されません。初めから“お宅ではこの本は売れない”と勝手に選別され、入荷されません。店頭に並ばなければ売れるかもしれない本も売れるチャンスがありません。
出荷を抑えれば返品も減るでしょう。販売会社にとっても経費が抑えられるのでいいのかも知れません。
売り上げが伸びて、返品が減ればご褒美でインセンティブを支払いますという契約もあります。書店は本を売って利益を出して経営していく商売です。返品率を下げるために、売れるかもしれない商品を仕入れなくて、インセンティブを貰う事は、書店として本末転倒かもしれません。書店さんは店頭に新刊、話題の本が並んで初めて活気がでます。それが出来なければジリ貧にならざるを得ません。
だから今、廃業される書店さんが多いのではないでしょうか。書店数が減ると出版業界が衰退し、出版社も販売会社も困るはずです。
返品率を下げれば、販売会社の利益が上がるという目先の利益ばかりを追求するのではなく、中小書店を育てる取り組みに転換しなければ、出版業界に未来はないかもしれません。
これだけ返品率を下げる努力をしてもせいぜい
30%が限界じゃないでしょうか。以前のように送られてきたものをそのまま店頭に並べ、残ったら返せばいいといった委託制度に依存してきた書店さんは、健全な書店経営の継続のために重大な転機を迎えている、と言えるのではないでしょうか? 

出版社でも書店さんを応援するために、特定商品を設けて正味を下げ、書店さんの利益が増える計画販売を開始しています。それも一つの効果的な方法かと思いますが、それよりもやる気のある書店さんに適切な新刊配本をすることの方がさらに効果があるんじゃないでしょうか。神田村取次は、今後も決して大手販売会社に取って代わろうとは思いません。今後もお互いの得意分野で共栄共存の精神で力を合わせて出版業界を盛り上げて行きたいと思っています。
最近大手販売会社の担当者さんから、“うちはそこまで出来ないので、神田村を使っていただいて構いません”と言われたと、ある書店さんからお聞きしました。しかし、そんな話の解かる大手販売会社担当者ばかりではありません。
神田村を使って売上げが増えると、神田村から仕入れている分も欲しくなるようで、元々無かった部分が増えたのに、なぜ売上げが伸びたのかを理解できないようです
。最近神田村を使うようになった業界紙に投稿された書店さんは、“新たな仕入ルートを手に入れたことで、お客様が欲しい商品を時期を逃さず販売することが出来、売上げ、客数ともに順調に推移しています。
数字はお客さまのお弊社に対する信頼と期待が高まってきた証し、あの本屋なら、あるはずという信頼と期待が深まった”と言っています。
売上げも二桁伸びたそうです。伸びた分はほとんどが、メインの販売会社から仕入れた商品で、神田村からは客注品や未配本新刊の調達に一部利用されたのに過ぎません。
神田村を利用することにより、客注品の早い入荷、欲しい新刊の入荷を可能にしています。神田村は客数の増加のお手伝いをさせていただいています。来店数が増えれば売上げは必ず伸びるはずです。

地方の書店さんでまだまだ神田村を使っていない書店さんがほとんどです。
神田村を使っている書店さんは、毎日当たり前のように神田村を使って、売上げを伸ばしています。神田村を使わないのは実にもったいない話です。
今は仕入先を複数持っても良いかもしれません。柔軟、かつポジティブにお考えいただき、神田村を使ってぜひ売上げを伸ばしていただきたい。ぜひ一度神田村を実感していただきたいと思います。神田村をご紹介した店舗数
100を超えるという数字は本当に少ないです。地方を回っていると“年々売上げが下がっている。
いつ商売を止めようかと思っている”とか、“新刊が入荷しないので、図書館、学校教科書等、外商に特化しました”等とのご意見をお聞きしています。お客様は皆、自宅近くの書店で本を買いたいのです。神田村を使って、もう一度頑張られては如何でしょうか? 神田村は書店さんの最後の砦です。ぜひお問い合わせください。

                    
                   


弘正堂図書販売株式会社
代表取締役社長
細野寛行

弘正堂
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